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感覚生物学:渡りを行う鳴禽類のクリプトクロム4の磁気感受性
Nature 594, 7864 doi: 10.1038/s41586-021-03618-9
夜間に渡りを行う鳴禽類は、ナビゲーション能力が極めて高い。単独で飛行し、移動が長距離に及ぶことも多いこれらの鳥類は、方向に関するさまざまな手掛かりを用いており、中でも光依存性の磁気コンパスは極めて重要である。このコンパスについてはこれまで、こうした渡り鳥の網膜に存在するフラビンタンパク質であるクリプトクロムの光誘起ラジカル対の量子スピンダイナミクスに依存した機構が示唆されてきた。今回我々は、夜間に渡りを行うヨーロッパコマドリ(Erithacus rubecula)のクリプトクロム4(CRY4)の光化学性質がin vitroで磁気感受性であり、その感受性は、ニワトリ(Gallus gallus)およびハト(Columba livia)という渡りを行わない2種の鳥類のCRY4のものよりも高いことを示す。ErCRY4の部位特異的な変異から、夜間に渡りを行う鳥類で、4つの連続したフラビン–トリプトファンラジカル対が磁場効果の生成や潜在的シグナル伝達状態の安定化において担っている役割が明らかになった。これらの役割によって、感知機能とシグナル伝達機能との個別の最適化が可能になる。

