Article

構造生物学:Giに結合した代謝型グルタミン酸受容体mGlu2とmGlu4の構造

Nature 594, 7864 doi: 10.1038/s41586-021-03495-2

代謝型グルタミン酸受容体(mGlu)は、グルタミン酸(中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質)に応答して起こる細胞の興奮性とシナプス伝達の調節に重要な役割を果たしている。これまでの研究では、mGluホモ二量体に含まれる受容体サブユニットの片方だけが受容体活性化の際のGタンパク質との共役に関わると考えられてきた。しかし、mGluのこのような非対称的なシグナル伝達の基盤となる分子機構は、まだ解明されていない。今回我々は、ヘテロ三量体であるGiタンパク質に結合したヒトmGlu2とmGlu4のクライオ電子顕微鏡構造を明らかにした。この2つの構造から、3つの細胞内ループとヘリックスIIIおよびIVによって形成されるGタンパク質結合部位が明らかになった。この結合部位は、他のあらゆるGタンパク質共役受容体(GPCR)構造に見られる結合部位とは異なっている。また、この2つのmGlu–Gi構造では、受容体の膜貫通ドメインの二量体界面が非対称であることが明らかになり、さらに、この非対称な二量体形成が受容体の活性化に不可欠であることも確認された。このことは、機能面のデータからも裏付けられた。この二量体形成が、mGluの非対称的なシグナル伝達の分子基盤なのかもしれない。これらの知見は、クラスCのGPCRによる受容体シグナル伝達についての手掛かりを与えるものだ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度