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構造生物学:海馬AMPA受容体の集合体とアロステリック阻害機構

Nature 594, 7863 doi: 10.1038/s41586-021-03540-0

AMPA選択型グルタミン酸受容体は、海馬の神経回路間のシグナル伝達を仲介する。AMPA受容体のトラフィッキング、局在、速度論的性質と薬理学的性質は、補助タンパク質サブユニットの組み合わせにより調整されている。膜内在性のこのような補助タンパク質サブユニットが受容体と結合することによって、実際に機能する受容体シグナル伝達複合体が出来上がる。これまで行われてきた、改変タンパク質構築体を用いた組換えAMPA受容体補助サブユニット複合体の詳しい研究では、海馬AMPA受容体複合体の分子構造の正確な解明はできていない。今回我々は、免疫アフィニティー精製法を使って得たマウス海馬由来カルシウム不透過性AMPA受容体複合体について、一分子蛍光顕微鏡実験とクライオ電子顕微鏡実験を行い、3種類の主要なAMPA受容体–補助サブユニット複合体の構造を明らかにした。GluA1–GluA2とGluA1–GluA2–GluA3、GluA2–GluA3受容体が、数が多く支配的な集合体であり、補助サブユニットのTRAP-γ8がB′/D′の位置に、同じく補助サブユニットのCNIH2–SynDIG4がA′/C′の位置に、それぞれ非確率論的に配置されている。我々はさらに、受容体–TRAP-γ8の化学量論的組成によって、臨床に関わる脳領域特異的アロステリック阻害剤の阻害機構と最大下阻害が説明される仕組みを明らかにした。

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