がん:黒色腫においてARAF変異はRAF阻害剤ベルバラフェニブに対する抵抗性を与える
Nature 594, 7863 doi: 10.1038/s41586-021-03515-1
RAF単量体阻害剤(I.5型、BRAF(V600))は、BRAFV600変異型黒色腫の治療に対して臨床で承認されているが、これらは非BRAFV600変異型細胞には効果がない。ベルバラフェニブ(belvarafenib)は強力で選択的なRAF二量体(II型)阻害剤であり、BRAFV600E変異型とNRAS変異型の黒色腫患者で臨床活性を示す。今回我々は、BRAFV600E変異型とNRAS変異型の進行性固形腫瘍を対象に、ベルバラフェニブの最大耐用量の検討と、安全性と予備的な有効性を評価するための第I相FIH(first-in-human)試験について報告する(NCT02405065およびNCT03118817)。我々は、ベルバラフェニブ抵抗性NRAS変異型黒色腫細胞を作製し、ベルバラフェニブを投与した患者の循環血中腫瘍DNAを解析することで、ARAFのキナーゼドメイン内に新たな頻発性変異を特定した。変異型ARAFは、二量体とキナーゼ活性の両方に依存した様式でベルバラフェニブに対する抵抗性をもたらした。ベルバラフェニブは変異型ARAF二量体を誘導し、変異型ARAFを含む二量体は阻害剤存在下で活性を示した。ARAF変異は、II型RAF阻害剤のパネルに対して感受性の低下を示したことから、これらの変異はRAF二量体阻害剤に対する一般的な抵抗性機構として働いている可能性がある。RAFとMEKの阻害の組み合わせを使うことにより、ARAFによって生じる抵抗性を遅延できる可能性があり、これらは臨床での使用に向けた合理的な組み合わせであると示唆される。以上より、我々の知見は、ARAFアイソフォームには特異的かつ補償的な機能があることを明らかにしており、ARAF変異がRAF二量体阻害剤に対する抵抗性のドライバーであることを示している。

