細胞生物学:細菌感染の際にはRNF213によるリポ多糖ユビキチン化が起こる
Nature 594, 7861 doi: 10.1038/s41586-021-03566-4
ユビキチン化は、真核生物で広く見られる翻訳後のタンパク質修飾で、細胞質ゾルに侵入した細菌に、抗菌オートファジーの積み荷となることを示す目印を付ける。細菌側のユビキチン化される基質が何かは不明である。今回我々は、細胞質ゾルに侵入したサルモネラ菌(Salmonella)のユビキチン被覆が、細菌のリポ多糖(LPS)のリピドA部分という非タンパク質性基質のユビキチン化を介して形成されることを明らかにする。このユビキチン化は、E3ユビキチンリガーゼであるリングフィンガータンパク質213(RNF213)によって行われる。RNF213はもやもや病(遠位部内頸動脈の進行性狭窄で、脳卒中、特に小児の脳卒中の原因となる)のリスク因子である。RNF213は細胞質ゾルでのサルモネラ菌の増殖を抑制し、また細菌のユビキチン被覆の形成において、直接的(LPSのユビキチン化を介して)、および間接的(E3リガーゼの下流で働いて、既存のユビキチン被覆にさらにM1連結型ユビキチン鎖を付加するLUBACを誘引することにより)に重要な役割を果たす。RNF213を持たない細胞では、細菌はユビキチン依存性オートファジー受容体を誘引せず、抗菌オートファジーを誘発しない。細胞質ゾルに侵入したサルモネラ菌のLPSユビキチン化には、RNF213のダイニン様コアが必要だが、RINGドメインは必要ない。その代わり、LPSのユビキチン化はE3 shellドメイン中のRZフィンガーに依存する。これらの知見から、ユビキチン化はタンパク質以外の基質にも起こり、LPSのユビキチン化は細胞自律的免疫を引き起こすと結論される。さらに、LPS以外の非タンパク質性基質にもユビキチン化は起こる可能性があると我々は考える。

