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がん:AIに基づく病理学は原発不明がんの起源を予測する

Nature 594, 7861 doi: 10.1038/s41586-021-03512-4

原発起源が不明のがん(CUP)は、解剖学的な原発部位を特定できない診断の難しいグループである。現在は原発腫瘍に特異的な治療が主流であるため、これは大きな課題の1つとなっている。最近の研究では、ゲノミクスとトランスクリプトミクスによる腫瘍起源の特定に重点が置かれている。しかし、ゲノム検査は常に行われているわけではなく、医療資源の乏しい環境では臨床での普及率が低い。今回我々は、これらの課題を克服するための、深層学習に基づいたアルゴリズムTOAD(Tumour Origin Assessment via Deep Learning)について報告する。TOADは、日常的に作製される組織学的なスライドを用いて、原発性腫瘍の起源の鑑別診断を行う。我々は、原発起源が分かっている腫瘍のホールスライド画像を用いて、腫瘍が原発性か転移性かを識別すると同時にその起源部位を予測するよう、モデルを訓練した。このモデルは、原発起源が分かっている腫瘍の我々が用意したホールドアウト法用テストセットに対して、0.83のtop-1精度と0.96のtop-3精度を達成した一方、外部テストセットに対しては、0.80のtop-1精度と0.93のtop-3精度を達成した。我々はさらに、鑑別診断がつけられている317例のCUPのデータセットのキュレーションを行った。我々のモデル予測は、61%の症例で一致し、top-3一致率は82%という結果が得られた。TOADは、転移性腫瘍やCUPの複雑な症例に鑑別診断をつけるための支援ツールとして使用することができ、CUPの頻度を減らすために補助的検査や広範な診断精密検査と併用したり、またはそれらの代わりとして用いたりすることができる。

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