材料科学:ハロゲン化鉛ペロブスカイト・ナノキューブから形成されるペロブスカイト型超格子
Nature 593, 7860 doi: 10.1038/s41586-021-03492-5
原子レベルで規定された色素分子集合体(H凝集体やJ凝集体など)は、それらの光学スペクトルにおける集団現象の発現、コヒーレント長距離エネルギー輸送、天然の光収穫複合体との概念的類似性、光源や光起電力技術における利用可能性から、80年以上にわたって関心を集めてきた。集団現象を示す汎用的かつ制御された凝集体を作製する別の方法では、コロイド半導体ナノ結晶の組織化によって長距離秩序超格子が形成される。ハロゲン化セシウム鉛ペロブスカイトナノ結晶は、明るい三重項励起子の振動子強度が高く、位相緩和が遅く(コヒーレンス時間は最長80ピコ秒)、発光スペクトル線の不均一な広がりが最小限であるため、そうした超格子の有望な構成要素である。これまでのところ、こうしたナノ結晶からは、単一成分の単純立方充填の超格子しか開発されていない。今回我々は、二元系と三元系のペロブスカイト型(ABO3)ナノ結晶超格子について報告する。こうしたナノ結晶超格子は、立体的に安定化された高発光性の立方晶CsPbBr3ナノ結晶(Bおよび/またはO格子サイトを占める)、球形のFe3O4またはNaGdF4ナノ結晶(Aサイト)、切頂立方体PbSナノ結晶(Bサイト)の、形状によって方向付けられた共集合によって作製された。こうしたABO3超格子は、我々が実証したNaClとAlB2の二元系超格子構造と同様に、CsPbBr3ナノキューブの高度な方向性秩序を示す。また、そうしたABO3超格子は超蛍光も示す。超蛍光は、超高速放射脱励起(22ピコ秒)による光子バーストをもたらす集団的発光であり、超高輝度(量子)光源用に調整できる可能性がある。今回の研究は、複雑で秩序立った、機能的有用なペロブスカイト・メソ構造のさらなる探索への道を開く。

