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複雑系科学:人の移動に関する普遍的訪問則
Nature 593, 7860 doi: 10.1038/s41586-021-03480-9
人の移動は、都市の空間的構造からエピデミックに対する応答まで、都市の多くの側面に影響を及ぼし、究極的には、社会的相互作用、技術革新、生産性のカギにもなっている。しかし、個人の移動の総計についての定量的な理解は、まだ不完全である。重力則や放射モデルなどの既存のモデルは、移動の流れの純粋に空間的な依存性に重点を置いており、同一地域への再訪頻度の変動は捉えていない。今回我々は、世界のさまざまな都市から得られた大規模な移動データに基づいて、人々の移動の時間的スペクトルと空間的スペクトルを捉える、単純でロバストなスケーリング則を明らかにする。この法則によると、どの地域に関しても、そこを訪問する人の数は、訪問頻度と移動距離の積の逆2乗に比例して減少する。我々はまた、さまざまな地域への時空間的流れによって、ジップの法則に従う面積分布を有する著しい空間的クラスターが生じることを示す。さらに我々は、探索と優先的再帰(exploration and preferential return)に基づく個人の移動モデルを構築し、今回見いだされたスケーリング則や空間的構造の出現に関する機構的説明を与える。今回の知見は、人文地理学における長年にわたる推測(中心地理論や、創発的最適性に関するウェーバーの理論など)を裏付けるものであ、再訪の流れの予測を可能にし、都市計画、交通工学、エピデミックの緩和における応用の基礎を与えている。

