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分子生物学:テロメア反復配列合成の複数の段階でのテロメラーゼの構造

Nature 593, 7859 doi: 10.1038/s41586-021-03529-9

テロメラーゼは、ノンコーディングRNA[テロメラーゼRNA(TER)と呼ばれる]を含んでいて、その中にある短い鋳型配列を使って、ほとんどの真核生物の染色体3′末端に存在するGの多いテロメア反復DNA配列を連続的に合成するという点で、逆転写酵素の中で独特である。テロメラーゼはゲノムの完全性を維持する働きをし、その活性や調節異常は、ヒトの寿命、幹細胞の自己複製、がんの進行などの重要な決定因子である。これまでに得られたクライオ電子顕微鏡構造によって、テトラヒメナ(Tetrahymena)とヒトのテロメラーゼの全体構造、タンパク質成分および化学量論比が明らかになっているが、DNAとタンパク質、またRNAとタンパク質の相互作用の詳細、それらに関わる作用機構や成分の動員については、解明が進んでいなかった。今回我々は、テロメアDNAが結合していて活性のあるテトラヒメナテロメラーゼについて、ヌクレオチド付加反応のさまざまな段階での構造をクライオ電子顕微鏡構造を用いて明らかにした。テロメラーゼの逆転写酵素(TERT)とTERとDNAの間の相互作用から、ヌクレオチド付加の際の鋳型の5′、3′境界の決定、鋳型–DNA二本鎖の扱い、生じた鎖の分離についての構造基盤が明らかになった。この構造、それにTERTとテロメラーゼタンパク質p50(ヒトTPP1のホモログ)の結合面から、テロメラーゼの活性化とテロメアへの動員に必要な、保存された相互作用が判明した。テロメラーゼLa関連タンパク質p65は、TERの複数の領域を再構築し、5′末端、3′末端と保存されたシュードノット構造を架橋して、TERT–TER触媒コアの組み立てを促進している。

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