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分子神経科学:ニューロンのエンハンサーはDNA一本鎖切断修復のホットスポットである
Nature 593, 7859 doi: 10.1038/s41586-021-03468-5
DNA修復の異常は神経発達疾患や神経変性疾患につながることが多く、これは、長寿命の有糸分裂後ニューロンにおけるDNA修復が特に重要であることを明確に示している。細胞のゲノムは、内因性DNA損傷の連発に絶えずさらされているが、意外にも、ニューロンで蓄積する損傷がどんなものであるか、また、そうした損傷がゲノム全体に生じるのか特定の座位に生じるのかについてはほとんど分かっていない。今回我々は、有糸分裂後のニューロンでは、DNA一本鎖切断(SSB)がゲノム中の特定の部位に予想外に高レベルで蓄積していることを示す。ゲノム規模のマッピングから、SSBはCpGジヌクレオチド上のエンハンサーやその近傍にあるエンハンサー、およびDNA脱メチル化部位に位置することが明らかになった。これらのSSBは、PARP1とXRCC1に依存した機構によって修復される。特に、XRCC1依存的なショートパッチ修復の異常は、ニューロンのエンハンサーでDNA修復合成を増加させるが、ロングパッチ修復の異常はそうした合成を低下させることは重要である。従って、ニューロンエンハンサーでの高レベルのSSB修復は、ショートパッチ過程とロングパッチ過程の両方によって維持されている可能性が高い。これらのデータは、部位や細胞タイプに特異的なSSB修復を証明する初めての証拠を提示するもので、ニューロンでは局所的で持続的なDNA切断が予想外のレベルで起きていることを明らかにしている。加えて、これらのデータは、SSB修復に異常のある患者で神経変性表現型が見られることに対する説明も示唆している。

