Article
化学物理学:状態ごとの極低温化学を用いる統計動力学の精密検証
Nature 593, 7859 doi: 10.1038/s41586-021-03459-6
化学反応は、現在の理論的理解と計算能力の両方に疑問を投げ掛ける量子問題の代表的なものである。極低温で起こる反応は、類のない制御の下で実験的に調べることができるため、量子化学や散乱理論を検証する理想的な場をもたらすが、その動力学は非常に複雑である。今回我々は、2KRb → K2 + Rb2という反応について、生成物の完全な状態分布を報告する。反応物を極低温で調整することで、初期の量子自由度の完全制御が可能になる一方、両方の生成物の状態分解同時検出によって、許容される57通りの各回転状態対への散乱の確率が測定可能になる。今回の結果は、統計理論に基づく状態数え上げモデルに全体として一致するが、逸脱した状態対もいくつか明らかにしている。特に我々は、生成物の脱出を阻止する長距離ポテンシャルの結果として、発熱限界に最も近い状態対において分布の強い抑制を観測した。今回の測定の完全性によって、現在の最先端を上回る量子動力学計算の基準が得られる。

