医学研究:NOD2変異によるクローン病での骨髄–ストローマニッチとgp130遮断による救済
Nature 593, 7858 doi: 10.1038/s41586-021-03484-5
クローン病は慢性の炎症性腸疾患であり、異常な治癒と、合併症として腸狭窄を伴うことが多い。活性化された骨髄系細胞とストローマ細胞の間のクロストークは、クローン病の病原性に重要であり、血管内に侵入した単球の増加は抗TNF療法への応答欠如と相関している。クローン病に最も強く影響するリスク対立遺伝子はNOD2の機能喪失変異であり、この変異は腸狭窄のリスクを増大させる。しかし、NOD2の変異によって生じる病原性の基盤となる機構や、抗TNF療法への応答欠如を救済し得る経路についてはほとんど解明されていない。今回我々は、NOD2リスク対立遺伝子を持つ患者の直接的なex vivo解析を行い、NOD2の喪失が、活性化繊維芽細胞とマクロファージの恒常性調節異常を引き起こすことを示す。NOD2リスク対立遺伝子保有者のCD14+末梢血単核細胞は、高レベルのコラーゲンを発現する細胞を生み出し、nod2欠損の腸損傷ゼブラフィッシュモデルでは、保存されたシグネチャーの上昇が観察された。活性化繊維芽細胞やマクロファージでのSTAT3調節とgp130リガンドの増加は、gp130の遮断によりNOD2欠損細胞で活性化されたプログラムを救済できる可能性を示唆している。我々は、治療後のSTAT3経路の誘導が、患者での抗TNF療法に対する応答の欠如と相関していることを示し、ゼブラフィッシュにおいてin vivoで、gp130特異的阻害剤バゼドキシフェンを用いることで活性化骨髄–ストローマニッチが改善することを実証する。我々の結果から、クローン病でのNOD2による繊維症に関する手掛かりが得られ、gp130の遮断がクローン病の一部の患者で、おそらく抗TNF療法の補完として、有効である可能性が示唆された。

