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素粒子物理学:格子QCDから得られた、ミューオン異常磁気能率に対するハドロン主要項の寄与
Nature 593, 7857 doi: 10.1038/s41586-021-03418-1
素粒子物理学の標準模型は、素粒子の関与する実験結果や観測結果の大半を記述する。その予測からのずれはいかなるものでも、新しい基礎物理学の兆候となると思われる。長年にわたる不一致の1つは、ミューオンの異常磁気能率、つまりこの素粒子を取り巻く磁場への応答度合いに関するものである。標準模型の予測は実験結果との不一致を示しており、この不一致は、ばらつきが3.7標準偏差辺りに集中している。現在、理論誤差と実験誤差は同程度であるが、進行中の実験や計画されている実験は、測定誤差を4分の1にまで低減することを目指している。理論的には、誤差の支配的な原因は、最低次のハドロン真空偏極(LO-HVP)の寄与である。来るべき実験では、独立した方法を用いてこの寄与の予測を評価し、その不確かさを低減することが本質的に重要である。今のところ、モデルに依存しない最も精密な決定法は、電子–陽電子対消滅によるハドロン生成の断面積の測定結果と組み合わせた、分散関係を利用した手法に依拠するものである。今回我々は、こうした実験に依拠しないよう、量子色力学(QCD)と量子電磁力学の第一原理シミュレーションを用いて、LO-HVPの寄与を計算した。我々は、ミューオンの異常磁気能率の測定結果と分散関係を利用した予測値の間に差異を認めるのに十分な精度に到達した。今回の結果は、分散関係を使用して得られた値ではなく実験値を支持している。さらに、今回の研究において使用され発展してきた方法は、より強力な計算機が使えるようになるにつれて、さらなる高精度化が可能になるだろう。

