Article

発生生物学:生体外での原腸形成前から器官形成後期までのマウス胚形成

Nature 593, 7857 doi: 10.1038/s41586-021-03416-3

哺乳類のボディープランは胚が母体の子宮内に着床した直後に確立されるが、着床後の発生過程についての我々の理解は限られている。着床前および着床周辺期のマウス胚は日常的にin vitroで培養されているが、着床後の胚を、卵筒胚段階から器官形成が進行した段階までロバストに培養する手法はいまだ確立されていない。今回我々は、マウスの着床後胚を生体外で培養するための非常に有効なプラットフォームを提示する。このプラットフォームによって、胚を、原腸形成前[5.5日齢胚(E5.5)]から後肢形成段階(E11)まで適切に発生させることが可能になる。原腸形成後期の胚(E7.5)は三次元回転ボトルで成長するのに対し、原腸形成前の段階(E5.5あるいはE6.5)から延長して培養を行うには、静止培養と回転ボトルの培養プラットフォームを組み合わせる必要がある。組織学的解析、分子解析、単一細胞RNA塩基配列解読の解析から、生体外で培養された胚は子宮内での発生を正確に再現することが確認された。この培養系は、胚にさまざまな摂動や顕微操作を導入するのに適していて、その結果を生体外で最長6日間追跡することができる。正常なマウス胚を生体外で原腸形成前から器官形成が進行した段階までロバストに成長させる系によって子宮という障壁が取り除かれ、研究者は哺乳類における着床後の形態形成や人為的な胚形成を機構的に調べられるようになるため、こうした系の確立は胚形成を調べるための貴重なツールとなる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度