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社会行動:社会的音声コミュニケーションの柔軟なスケーリングと持続性

Nature 593, 7857 doi: 10.1038/s41586-021-03403-8

笑い、叫び、泣きといった生得的な発声音は、自己の感情を他者へと伝える。ヒトを含む多くの種において、発声の振幅および持続時間のスケーリングは効果的な社会的コミュニケーションに不可欠である。マウスでは、雌のにおいに誘発されて、雄は生得的な求愛の超音波発声(USV)を発する。しかし、マウスが発声を柔軟にスケーリングするのかどうか、また、神経回路がどのように構造化されて柔軟性を生み出すかについては、ほとんど分かっていない。今回我々は、マウスにおいて、エストロゲン受容体1(ESR1)を発現し、活性化されると自然な求愛で発せられるUSVのシラブル(音節)の完全なレパートリーを誘発する、外側視索前野(LPOA)からのニューロン(LPOAESR1ニューロン)を特定した。神経の解剖学的データと機能的データからは、長距離抑制性の一次LPOAESR1ニューロンが中脳水道周囲灰白質(PAG)抑制の局所的クランプを緩和し、これによって興奮性PAG USV依存性ニューロンの発声誘発が可能になるという2段階の2シナプス性回路モチーフが明らかになった。また、社会的状況が、USVの広範な振幅と発声単位(bout)の持続時間を形作っていることが見いだされた。こうした変動はPAGニューロンを直接刺激した場合には見られず、PAGによって誘発される発声は神経活動と時間的に固定されていて、音量は一様に大きい。対照的に、LPOAESR1ニューロン活動の増加は発声の振幅をスケーリングしており、抑制クランプの回復を遅らせるとUSVのbout持続時間は延長した。従って、LPOAの脱抑制モチーフは、効果的な社会的音声コミュニケーションの主要な側面である、柔軟な音量およびboutの持続時間や持続性に関与している。

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