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電気化学:ポリペプチド有機ラジカル電池

Nature 593, 7857 doi: 10.1038/s41586-021-03399-1

ほんの数十年で、リチウムイオン電池は科学技術に革命をもたらし、ポータブルデバイスや電気自動車の急速な普及を可能にするとともに、社会に多くの利益をもたらした。しかし、科学技術の急成長によって、リチウムやコバルトなどの鉱石資源の採掘に関わる倫理的課題と環境課題、電池の安全利用と無害処理に関わる問題が浮き彫りになっている。リサイクルされるリチウムイオン電池はほんの一部で、戦略的元素の世界の物質供給をさらに悪化させている。考えられる代替案は、有機系レドックス活物質を用いて、倫理的に調達された持続可能な材料に由来する、オンデマンドで分解や再構築が可能な充電式電池を開発することである。そうした電池は、用いる活物質が電池の動作時には安定だが寿命を終えると分解可能でなければならないため、作製が困難である。さらに、その分解生成物は、環境に優しいか、新しい電池の再構築用にリサイクル可能でなければならない。今回我々は、ビオロゲンラジカルとニトロキシドラジカルがレドックス活性基としてポリペプチド骨格に組み込まれてそれぞれアノード材料とカソード材料として機能する、無金属ポリペプチド系電池を実証する。これらのレドックス活性ポリペプチドは、電池動作時には安定な活物質として振る舞い、その後、酸性条件においてオンデマンドで分解されてアミノ酸などの構成要素と分解生成物を生じる。こうしたポリペプチド系電池は、将来の循環型経済における環境に優しく持続可能な電池向けの代替化学物質の必要性に取り組む第一歩である。

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