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がん:CRL4AMBRA1はD型サイクリンのマスター調節因子である

Nature 592, 7856 doi: 10.1038/s41586-021-03445-y

D型サイクリンは細胞の分裂周期の中心的な調節因子であり、ヒトのがんで脱調節していることが最も多い治療標的の1つだが、その代謝回転を調節している機構についてはいまだ議論が続いている。今回我々は、体細胞での生化学研究と遺伝学研究を組み合わせることにより、CRL4AMBRA1(別名CRL4DCAF3)がユビキチンリガーゼであって、3種類のD型サイクリン全てを標的として分解に向かわせることを明らかにする。発生の際にAmbra1が失われると、D型サイクリンの蓄積、網膜芽細胞腫(RB)タンパク質の過剰リン酸化と過剰増殖が引き起こされ、その結果、神経系の障害が起こる。この障害は妊娠中のマウスにFDA承認済みのCDK4およびCDK6(CDK4/6)阻害薬アベマシクリブを投与すると低減した。また、AMBRA1はマウスモデルで腫瘍抑制因子として働き、がん患者ではAMBRA1 mRNAレベルが低いことが生存率の低さを示す予測因子となる。D型サイクリンのがんホットスポットに生じた変異は、D型サイクリンがAMBRA1と結合するのを妨げて、D型サイクリンを安定化する。さらに、全ゲノムのCRISPR–Cas9スクリーニングによって、AMBRA1はCD4/6阻害への応答の調節因子であることが突き止められた。AMBRA1が失われると、D型サイクリンとCDK2の複合体形成が促進されるため、CDK4/6阻害剤に対する感受性が低下する。これらの結果を総合することにより、発生やヒトのがんで細胞周期の進行中にD型サイクリンの安定性を制御する分子機構が明らかになり、AMBRA1がRB経路の重要な調節因子であることが立証された。

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