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化学:個々の表面ヒドロキシ基の酸性度の直接評価
Nature 592, 7856 doi: 10.1038/s41586-021-03432-3
表面の脱プロトン化/プロトン化の状態は、酸–塩基触媒反応、水の電極触媒分解や光触媒分解から、無機物の挙動や生化学まで、化学において広範な影響を及ぼしている。物質の酸性度は、そのプロトン親和力と酸解離定数pKa(溶液中におけるプロトン移動反応の平衡定数の負の対数)によって表される。個々の部位の酸性度を評価するのは、固体では分子と比べて難しい。無機物の表面については、酸性度は、結合次数原子価総和(bond-order valence sum)などの半経験的概念によって推定され、第一原理分子動力学シミュレーションでモデル化されることが多くなっている。今のところ、そうした予測は検証できず、ゼロ電荷点などの実験的な測定結果は、表面全体で、場合によっては個々の結晶ファセットで積分されている。今回我々は、4つの異なるタイプの表面酸素原子を持つモデル酸化物であるIn2O3(111)の表面の、個々のヒドロキシ基の酸性度を評価した。非接触原子間力顕微鏡の探針で水素結合の強さを調べたところ、その結果が、密度汎関数理論計算結果と定量的に一致することが見いだされた。さらに我々は、この結果を気相分子の既知のプロトン親和力と関連付けることによって、In2O3のさまざまな表面部位のプロトン親和力を原子精度で決定した。今回の方法は、ヒドロキシル化された二酸化チタンや酸化ジルコニウムの測定によって、他の酸化物にも拡張されている。

