Article

代謝:GABA作動性ニューロンのREV-ERBは肝臓の日周インスリン感受性を制御する

Nature 592, 7856 doi: 10.1038/s41586-021-03358-w

全身のインスリン感受性は、覚醒時をピークとする日周リズムを示す。この時間的パターンの基礎となる分子機構は分かっていない。今回我々はマウスにおいて、視交叉上核(SCN)内のGABA作動性(γ-アミノ酪酸産生)ニューロン(SCNGABAニューロン)における核内受容体REV-ERB-αとREV-ERB-β(以下、「REV-ERB」)が、規則的な明暗周期の間に日周性の摂食や移動運動行動に影響を与えることなく、肝臓のグルコース産生のインスリンを介した抑制の日周リズムを制御することを示す。REV-ERBはSCNで神経伝達に関連する遺伝子の律動的な発現を調節し、SCNGABAニューロンの振動性の発火活動を調整している。覚醒時にSCNGABAニューロンを化学遺伝学的に刺激すると耐糖能異常が引き起こされたのに対して、SCNGABAニューロン発火またはREV-ERB発現の時間的パターンを回復させると、REV-ERBの枯渇によって引き起こされる時間依存的なグルコース代謝表現型が救済された。糖尿病患者では、覚醒後の血糖値の上昇が「暁現象の延長」を決定付ける特徴である。暁現象の延長を示す2型糖尿病患者では、暁現象の延長を示さない2型糖尿病患者と比較して、REV-ERB遺伝子発現の時間的パターンに違いが見られた。これらの知見は、中枢の概日時計が肝臓のインスリン感受性の日周リズムを調節する機構についての手掛かりをもたらすものであり、2型糖尿病における暁現象の延長の理解に意味を持つ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度