Article

免疫学:DPP9によるNLRP1抑制の構造的機構と生化学的機構

Nature 592, 7856 doi: 10.1038/s41586-021-03320-w

ヌクレオチド結合ドメインとロイシンリッチリピートを持つ受容体(NLR)は、インフラマソームを形成することで自然免疫を仲介する。NLRタンパク質であるNLRP1の活性化には、FIIND(function-to-find domain)内での自己切断が必要である。静止細胞では、ジペプチジルペプチダーゼであるDPP8とDPP9がNLRP1のFIINDと相互作用して、NLRP1の自発的な活性化を抑制する。しかし、これがどのような機構を通して起こるのかは分かっていない。今回我々は、完全長のラットNLRP1(rNLRP1)とラットDPP9(rDPP9)が2:1の複合体を形成していることを示す構造的および生化学的な証拠を提示する。この複合体には、自己抑制されたrNLRP1分子が1つと、rNLRP1の活性型UPA–CARD断片が1つ含まれる。また、rNLRP1のZU5ドメインは、自己抑制だけでなく、この2:1複合体の構築にも必要である。この複合体の形成は、UPAを介したUPA–CARD断片の高次オリゴマー化を防ぎ、ZU5を介したNLRP1の自己抑制を増強する。構造に基づく生化学解析と機能解析から、ヒト細胞でDPP9がNLRP1を抑制するためには、NLRP1への結合と酵素活性の両方が必要であることが示された。まとめると我々のデータは、DPP9を介したNLRP1の抑制機構を明らかにし、NLRP1インフラマソームの活性化を解明するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度