Review
分子生物学:老化過程におけるDNA損傷の中心的役割
Nature 592, 7856 doi: 10.1038/s41586-021-03307-7
老化は複雑で多面的な過程であり、あらゆる器官や組織に影響を及ぼす広範な機能低下を引き起こすが、老化が1つの統一的な機構を原因として起こるのか、あるいは複数の原因に基づいているのかは分かっていない。表現型の上では、老化過程は、分子レベル、細胞レベル、生理レベルで多種多様な特性(ゲノムやエピゲノムの変化、タンパク質恒常性の喪失、細胞や細胞内の全体的な機能低下、シグナル伝達系の脱調節など)と関連付けられている。しかし、これらの老化特性の相対的な重要性や機構的な相互関係、階層的順序は明らかにされていない。今回我々は、DNA損傷が老化表現型の全てではないにしてもほとんどの側面に影響を及ぼしていることを示す、累積されている証拠を統合し、DNA損傷が老化の統一的な原因である可能性を提示する。DNA損傷およびその老化表現型との機構的な関連性に的を絞ることで、老化に関連した機能障害や疾患に対抗するための統一的な介入法を開発する上での論理的根拠が得られるだろう。

