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感染症:LILRB1を含む抗体のマラリアRIFINへの結合の構造的基盤

Nature 592, 7855 doi: 10.1038/s41586-021-03378-6

熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のRIFIN(repetitive interspersed families of polypeptides)は、この原虫に感染した赤血球上に発現されるバリアント表面抗原で、その一部は免疫抑制性受容体LAIR1に結合する。LAIR1をコードするDNAを免疫グロブリン遺伝子に挿入するとRIFIN特異的な抗体が作り出される。今回我々は、この知見の一般的妥当性を調べる目的で、また別の抑制性受容体であるLILRB1を取り込んだ抗体を探索した。LILRB1はその頂端部のドメインを介して、β2ミクログロブリンおよびRIFINと結合する。マリ共和国のドナーからなるコホート由来の血漿のスクリーニングによって、LILRB1を含む抗体を持つ感染者が見つかった。これら3人のドナーから単離されたB細胞クローンは、スイッチ領域に大きなDNA挿入があり、この挿入は可変–定常(VH–CH1)領域のエルボー中にLILRB1の非頂端部細胞外ドメイン3と4(D3D4)、もしくはD3のみをコードしていることが分かった。質量分析と結合アッセイから、LILRB1 D3に結合するRIFINの大規模なセットが見つかった。LILRB1 D3D4、あるいはD3D4を含む抗体Fabのどちらかと複合体を形成したRIFINの結晶構造とクライオ電子顕微鏡構造から、RIFINとLILRB1 D3の間の相互作用様式がRIFIN–LAIR1のものと類似していることが明らかになった。このFabはあまり見られない三角形の構造をしており、挿入されたLILRB1ドメインは、VH–CH1のエルボー角度を広げるが、VH–VLあるいはCH1–CLの対形成には影響を与えないことが示された。まとめるとこれらの知見は、RIFINがLILRB1のD3を介して結合することを示しており、自然選択の例を挙げて、受容体のドメインをVH–CH1のエルボーに挿入することで新規抗体を作り出す際の一般的原理を示している。

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