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人類学:オセアニアの集団史と生物学的適応に関するゲノムからの知見

Nature 592, 7855 doi: 10.1038/s41586-021-03236-5

太平洋地域は、人類の分散、古代ヒト族との相互作用、自然選択の過程に関する疑問を解明する上で非常に重要である。しかし、オセアニア人集団の人口動態および適応の歴史はほとんど解明されていない。本論文では、太平洋地域の20集団に属する317人の高カバー率のゲノムを報告する。我々は、パプア人関連(「近オセアニア人」)の複数集団の祖先が、同地域での定着以前に強力なボトルネックを経て、約4万~2万年前に分岐したことを見いだした。我々はまた、太平洋集団の東アジア系祖先は、約5000年前に台湾から始まったと考えられている新石器時代の拡大の前に、台湾の先住民族から分岐したと推論する。加えて、この分散の後には、近オセアニア人集団との単一の混合事象がすぐに生じたのではなく、遺伝的相互作用事象が繰り返し生じていた。解析の結果、太平洋地域の各集団では、デニソワ人の痕跡の比率および特性に顕著な差異があることが明らかになった。これは、高度に構造化された古代集団との間で独立した異種交配が起きていたことを示唆している。また、ネアンデルタール人の遺伝情報の移入が、現生人類のさまざまな表現型(例えば、代謝、色素沈着、神経発生)に関連する適応を促進したのに対し、デニソワ人からの遺伝子移入は主として、免疫関連の機能に有益なものであった。さらに我々は、太平洋地域における病原体への曝露および脂質代謝に関連した選択的一掃および多遺伝子適応の証拠を提示し、それによって、島嶼環境への生物学的適応の機構に関する理解を深めている。

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