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物性物理学:分極渦のサブテラヘルツ集団ダイナミクス

Nature 592, 7854 doi: 10.1038/s41586-021-03342-4

トポロジカル構造の集団ダイナミクスは、基礎的視点からも応用的視点からも興味深い。例えば、磁気渦やスキルミオンの力学的特性の研究によって、多体物理に関する我々の理解が深まっただけでなく、データの処理や記憶の分野への応用可能性がもたらされた。最近、強磁性超格子において、電子スピンではなく電気分極で構築されたトポロジカル構造が実現されており、こうした構造はトポロジカル秩序の超高速電場制御に有望である。しかし、そうした複雑で広がったナノ構造の機能性の根底にあるダイナミクスについてはほとんど分かっていない。今回我々は、テラヘルツ場励起とフェムト秒X線回折測定を用いて、実験的に実現された磁気渦よりも周波数が数桁高くて横方向サイズが数桁小さいという、分極渦に特有の超高速集団分極ダイナミクスを観測した。これまで見られたことのない調整可能なモード[以下、ボルテクソン(vortexon)と呼ぶ]が、原子変位のナノスケールの円形パターンの過渡的な配列の形で現れ、ボルテクソンは、ピコ秒の時間スケールで渦度を反転させた。その周波数は臨界ひずみにおいて大きく低下(軟化)し、これは、構造ダイナミクスが凝結(凍結)していることを示している。我々は、第一原理に基づく原子計算と位相場モデリングを用いて、微視的な原子配置を明らかにするとともに、渦モードの周波数を確認した。今回の分極渦におけるサブテラヘルツ集団ダイナミクスの発見によって、トポロジカル構造における超高速かつ超高密度の電場駆動型データ処理への機会が開かれる。

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