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物性物理学:ねじれ2層グラフェンにおけるアイソスピン・ポメランチュク効果
Nature 592, 7853 doi: 10.1038/s41586-021-03409-2
凝縮物質系では一般的に、温度が上昇すると秩序相が不利になり、磁性や超伝導などの現象の上部臨界温度をもたらす。例外は、3Heにおけるポメランチュク効果で、この過程では、常磁性固体相のエントロピーが高いために、温度が上昇すると液体基底状態が凍結する。今回我々は、同様の機構によって、魔法角ねじれ2層グラフェンにおけるスピンおよびバレー・アイソスピンの有限温度ダイナミクスが説明されることを示す。特に、−1の超格子充填率近傍では、下限温度には整合相関相の出現の兆候がないにもかかわらず、高温では抵抗率のピークが現れる。面内磁気モーメントの傾斜磁場磁気輸送測定と熱力学的測定によって、抵抗率のピークと、系が有限アイソスピン偏極を発現させる有限磁場磁気相転移が関連していることが示された。これらのデータは、強磁性相における無秩序アイソスピンモーメントのエントロピーが、より高い温度でアイソスピン非偏極フェルミ液体相に関連する相を安定化させるという、ポメランチュク型機構を示唆している。我々は、ボルツマン定数を単位とするエントロピーが、単位格子面積当たり1のオーダーであり、測定可能な部分は、無秩序スピンの寄与に一致する面内磁場によって抑制されることを見いだした。しかし、3Heとは対照的に、この転移を挟んだ熱力学量に不連続性は観測されていない。今回の知見は、アイソスピン剛性が低いことを暗に示しており、ねじれ2層グラフェンとその関連系におけるアイソスピン秩序化や超伝導の根底にある機構のみならず、有限温度における電子輸送の性質に影響を及ぼす。

