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天文学:高温の巨大惑星の大気に見られる炭素や窒素を含む5種類の化学種

Nature 592, 7853 doi: 10.1038/s41586-021-03381-x

親星の近傍を軌道運動している太陽系外の巨大ガス惑星(ホットジュピター)の大気は、20年近くにわたって調べられてきた。ホットジュピターの大気によって、極端な照射条件下における惑星大気の化学的・物理学的特性の研究が可能になる。ホットジュピターが親星の前面を通過する際のこれまでの観測結果からは、それらの大気中に水蒸気や一酸化炭素が高頻度で存在することが明らかにされており、これらの存在は、スケーリングされた太陽組成の観点から、通常の化学平衡の仮定の下で研究されてきた。よく研究されたホットジュピターであるHD 209458b(平衡温度約1500 K)の大気では、これら2種類の分子の他にもシアン化水素が発見されており、アンモニアは暫定的に検出されたものの、後に否定された。本論文では、HD 209458bの観測において、水(H2O)、一酸化炭素(CO)、シアン化水素(HCN)、メタン(CH4)、アンモニア(NH3)およびアセチレン(C2H2)の存在が、各分子5.3〜9.9標準偏差の統計的有意性で示されたことを報告する。検出された化学種を考慮した放射平衡および化学平衡での大気モデルからは、炭素と酸素の比が1に近いか1より大きく、太陽の値(0.55)より高い値で、炭素に富む化学環境が示唆された。大気の化学的性質を惑星形成と惑星移動のシナリオに関連付けた既存のモデルによると、これは、HD 209458bが現在の位置から遠く離れた所で形成され、その後内側へと移動したことを示唆している。他のホットジュピターも、これまでに明らかにされているよりも多様な化学組成を示す可能性があり、ホットジュピターの組成が太陽と同様に酸素に富んでいると頻繁に仮定されることに対して問題が提起されるだろう。

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