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心理学:人間は減法的変化を体系的に見落とす
Nature 592, 7853 doi: 10.1038/s41586-021-03380-y
設計者が技術を向上させようとする、著述家が論拠を強化しようとする、あるいは管理者が望ましい行動を奨励しようとするなど、いずれの場合にせよ、物体や考えや状況を改善するには、起こり得る変化を頭の中で探索しなければならない。今回我々は、人間は物体や考えや状況に新しい構成要素を足す変化を考慮するのと同様に、それらから構成要素を引く変化を考慮するかどうかを調べた。人間は通常、全ての可能な考えをくまなく調べる認知的負担にうまく対処するために、限られた数の有望な考えを検討するが、その結果、より優れたものになり得る代替案を考慮せずに、まずまずの解決策を受け入れることになりかねない。本論文では、人間は加法による変化の探索を体系的にデフォルトとしており、その結果、減法による変化を見落とすことを示す。8つの実験を通じて、参加者は、減法を考慮に入れるという手掛かりが課題に含まれていない場合(手掛かりがあった場合と比べて)、加法による探索戦略の欠点を認識する機会が1度のみの場合(複数回ある場合と比べて)、そして認知的負担が大きい場合(小さい場合と比べて)に、有利な減法的変化に気付かない傾向があった。加法による変化の探索がデフォルトであることは、人間が過密スケジュールや画一的な官僚的形式主義、そして地球に対する破壊的影響の緩和に苦戦している理由の1つであるかもしれない。

