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分子生物学:出芽酵母ゲノムの高分解能タンパク質構造

Nature 592, 7853 doi: 10.1038/s41586-021-03314-8

染色体の完全性と遺伝子調節を維持するクロマチン関連タンパク質のゲノム規模の構造は、十分に解明されてはいない。今回我々は、ChIP-exo/seq(chromatin immunoprecipitation, exonuclease digestion and DNA sequencing)法を用いて、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のクロマチン関連タンパク質のゲノム規模の構造を決定し、DNA複製、セントロメア、サブテロメア、トランスポゾン、RNAポリメラーゼ(Pol)I、II、IIIによる転写に関わる、約400種類のタンパク質で構成される21個のメタ集合体を明らかにした。複製タンパク質はヌクレオソーム1個を含むが、セントロメアにはヌクレオソームは含まれず、サブテロメアのXエレメントでは抑制タンパク質が3個のヌクレオソームを包含している。Pol IIと結合しているほとんどのプロモーターは進化によって調節領域を失っており、コアプロモーター1つだけを持つことが分かった。これらの構成的プロモーターは、+1ヌクレオソームと隣接するヌクレオソームのない短い領域(NFR)で構成され、これらが共に転写開始因子TFIIDに結合して転写開始前複合体を形成する。位置が決まったインスレーターが、コアプロモーターを上流で起こる事象から保護する。少数のプロモーターは誘導可能性に関わる構造を進化させており、それによって塩基配列特異的な転写因子(ssTF)が、ヌクレオソームのない領域であるNDR(NFRとは異なる)を作り出している。我々は、ssTFと同族補因子とゲノムの間の構造的相互作用を詳しく明らかにした。これらの相互作用には、ヌクレオソームや転写の調節因子RPD3-L、SAGA、NuA4、Tup1、Mediator、SWI–SNFなどが含まれる。予想外なことに、ssTFとTFIIDの間には相互作用が認められなかったことから、こういった相互作用は安定的に起こっているわけではないと考えられる。遺伝子の誘導に関するこのモデルには、ssTF、補因子、TBPやTFIIBなどの基本因子は含まれるが、TFIIDは含まれない。対照的に、構成的な転写にはTFIIDが関与するが、補因子と結合したssTFは関与しない。これらの知見から、ssTFによる遺伝子調節の綿密に統合されたネットワークが明らかになった。

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