Perspective
遺伝子治療:NIH体細胞ゲノム編集プログラム
Nature 592, 7853 doi: 10.1038/s41586-021-03191-1
ヒトゲノムを読むことから書くことへの移行によって、ヒトの健康状態を改善するための新たな機会がもたらされる。米国立衛生研究所(NIH)の体細胞ゲノム編集(SCGE)コンソーシアムは、患者の体内で、それが到達の難しい組織であっても、疾患に関連する体細胞のゲノムをより安全かつより効果的に編集する方法の開発を加速することを目的としている。本論文では、ゲノム改変を誘導および測定するための手法の開発および評価、そしてヒト細胞内でのゲノム編集が引き起こす下流の機能的影響の定義付けに関する、このコンソーシアムによる計画について議論する。この取り組みの中心となるのは、厳密で革新的な手法であり、これには、第三者による小動物および大動物での試験を通した技術の検証が必要となる。新たなゲノムエディター、送達技術、in vivoでの編集された細胞の追跡方法に加え、新たに開発された動物モデルやヒトの生体システムは、検証されたデータセットと共に1つのSCGEツールキットにまとめ上げられ、生物医学研究コミュニティーに広く普及させる予定である。我々は、このツールキットとその応用によって生まれた知識が、さまざまな疾患の新たな治療法の臨床開発を加速する手段になると予想する。

