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物性物理学:モアレグラフェンにおけるフレーバーフント結合、チャーンギャップ、電荷拡散率
Nature 592, 7852 doi: 10.1038/s41586-021-03366-w
相互作用によって駆動される対称性の自発的破れは、多くの量子物質相の中核である。モアレ系では、フラットバンドにおける破れたスピン/バレーの「フレーバー」対称性が、最終的に相関トポロジカル基底状態が出現する親状態の基礎となっている。しかし、そうしたフレーバー対称性の破れの微視的機構や、そうした機構と低温相の関連性は、まだよく分かっていない。今回我々は、魔法角ねじれ2層グラフェン(MATBG)における対称性の破れた多体基底状態とその非自明なトポロジーを、熱力学的測定と輸送測定を同時に用いることで調べた。その結果、モアレ超格子の全ての整数充填において、フレーバー対称性の破れが化学ポテンシャルのピン止めとして直接観測された。これは、多体基底状態におけるフレーバーフント結合の重要性を実証している。時間反転対称性が破れると、基礎となるフラットバンドのトポロジカル性が現れ、充填率1、2、3のときにそれぞれチャーン数3、2、1のチャーン絶縁体状態に対応するエネルギーギャップが測定された。これは、MATBGのホフスタッター・バタフライ・スペクトルにおけるフレーバー対称性の破れと一致する。さらに、抵抗率と化学ポテンシャルの同時測定によって、異常金属領域においてMATBGの温度依存性の電荷拡散率が得られた。これは、これまで極低温原子でしか調べられていなかった物理量である。今回の結果は、磁場を用いる場合と用いない場合について、MATBGのトポロジカルバンドにおける相互作用を理解するための統一的枠組みに一歩近づくものである。

