ナノスケール材料:帯電エアロゾルジェットによる三次元ナノ造形
Nature 592, 7852 doi: 10.1038/s41586-021-03353-1
三次元(3D)造形は、電子工学、光学、エネルギー、ロボット工学、生体工学、センシングといった分野における製造工程に革命をもたらした。3D造形の微細化によって、マイクロ構造やナノ構造の特性を生かした応用が可能になる。しかし、既存の金属3Dナノ造形法は、ポリマー–金属混合物や金属塩、流動性インクが必要なため、材料の選択肢や得られる構造の純度が限られていた。これまでに、エアロゾルリソグラフィーを用いて、あらかじめパターニングされた基板の上に高純度3D金属ナノ構造アレイが作製されているが、形状は限定されていた。今回我々は、柔軟な形状と最小で数百ナノメートルの微細構造を有する金属ナノ構造アレイを、さまざまな金属を用いて直接3D造形する手法について報告する。造形工程は乾燥雰囲気中で行われ、ポリマーやインクは必要としない。代わりに、バイアスを印加したシリコン基板の上方に配置した、アレイ状の穴を有する誘電体マスクに向かって、イオンと帯電エアロゾル粒子を誘導する。イオンがそれぞれの穴の周囲に蓄積すると静電レンズが形成され、これらのレンズが帯電エアロゾル粒子を集束してナノスケールジェットを生成する。これらのジェットは、穴開きマスクの下に形成された集中電界によって誘導され、マスクが従来の3Dプリンターのノズルに似た働きをして、シリコン基板上にエアロゾル粒子を3D造形する。我々は、造形中に基板を動かすことによって、らせん、張り出し型ナノピラー、リング、文字を含むさまざまな3D構造の造形に成功した。加えて、今回の手法の潜在的応用を実証するために、縦型スプリットリング共振器構造アレイを造形した。他の3D造形法と組み合わせることで、今回の3Dナノ造形法が、ナノファブリケーション技術に大きな進歩をもたらすと、我々は期待する。

