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植物科学:細胞表面受容体と細胞内受容体による植物免疫の相互増強
Nature 592, 7852 doi: 10.1038/s41586-021-03315-7
植物の免疫系には、細胞間に存在する病原体由来分子を検出する細胞表面受容体と、植物細胞内で作用する病原体分泌エフェクタータンパク質を検出して免疫を活性化する細胞内受容体が関与している。表面受容体を介した免疫は広く研究されているが、細胞内受容体を介した免疫については、表面受容体を介した免疫がない状態ではほとんど調べられていない。さらに、これら2つの免疫経路間の相互作用はほとんど解明されていない。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis)において、表面受容体を介する免疫を誘導せずに細胞内受容体を活性化することで、これら2つの異なる免疫系の間の相互作用を解析した。表面受容体による病原体認識は複数のプロテインキナーゼやNADPHオキシダーゼを活性化するが、解析の結果、細胞内受容体は主に、いくつかの機構を介してこれらのタンパク質の量を増加させることで、それらの活性化を増強することが分かった。同様に、細胞内受容体に依存した過敏感応答は、表面受容体の活性化によって強力に増強される。どちらか一方の免疫系の活性化だけでは、病原性細菌Pseudomonas syringaeに対する効果的な耐性を発揮させるには不十分であった。従って、植物の細胞表面受容体と細胞内受容体によって活性化されるそれぞれの免疫経路は、相互に増強し合うことで、病原体に対する強力な防御を活性化する。これらの知見は、植物免疫に関する我々の理解を大きく変えるものであり、作物の改良に広範な意味を持つ。

