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幹細胞:オルガノイドを用いた臓器転用による短腸症候群の治療法
Nature 592, 7852 doi: 10.1038/s41586-021-03247-2
小腸は栄養吸収のための主要な臓器であり、その広範囲にわたる切除は、短腸症候群(SBS)と呼ばれる吸収不良や消耗性の状態を引き起こす。オルガノイド技術によって、in vitroで小腸上皮組織を効率的に増殖させることができるが、複雑なリンパ管系を含めた小腸全体の再構築は依然として難しい。今回我々は、元からある大腸上皮を回腸由来オルガノイドで置き換えることにより、機能的な小腸化大腸(small intestinalized colon;SIC)を作製した。我々はまず、異種移植したヒト回腸オルガノイドが、マウス大腸内でも回腸のアイデンティティーを維持しており、新たに絨毛構造を形成することを見いだした。さらに、オルガノイド単層のin vitro培養から、絨毛形成には内腔の機械的な「流れ」が不可欠な役割を持っていることが明らかになった。我々は次いで、上皮が常に内腔の腸液の流れにさらされている回盲部にSICを再配置することで、ラットのSICモデルを開発した。この解剖学的な再配置により、完全な血管系と神経支配、絨毛構造、乳糜管(脂肪吸収を行う小腸固有のリンパ構造)をはじめとする小腸臓器構造を備えたSICが形成された。このSICは吸収機能を持ち、SBSのラットモデルにおいて腸管不全を著しく改善したが、回腸オルガノイドではなく大腸オルガノイドを移植した場合は、必ず死亡した。これらのデータは、再生を目的とした腸オルガノイドの使用の根拠を実証するとともに、SBSに対して実行可能な治療戦略を示している。

