ケモカイン:親和性と連動したCCL22は胚中心での正の選択を促進する
Nature 592, 7852 doi: 10.1038/s41586-021-03239-2
抗体の親和性成熟は、胚中心(GC)でのまれなB細胞クローンの正の選択に依存している。正の選択を受けたまれなB細胞クローンは、体細胞高頻度変異を介して、親和性のより高いB細胞受容体を獲得し、より多くの抗原を濾胞性ヘルパーT(TFH)細胞に提示するので、結果として接触に依存したT細胞ヘルプをより多く受ける。こうしたGC B細胞とTFH細胞の接触は、無秩序なGC環境では長く持続されないため、このようなまれなクローンにT細胞ヘルプが漸増的に集中して十分な刺激を受ける仕組みは分かっていない。今回我々は、GC B細胞のCD40を刺激すると、ケモカインCCL22と(それより程度は低いが)CCL17の発現が上昇することを示す。CCL22とCCL17は、TFH細胞上のケモカイン受容体CCR4に結合することで、離れた場所から多数のヘルパー細胞を引き寄せることができるため、GC B細胞が有効なヘルプを受ける機会が増える。より高い抗原結合親和性を獲得したB細胞は、GC反応の際にCCL22をより高いレベルで発現し、これがこのような高親和性GC B細胞を「目立たせる」ことになる。TFH細胞のヘルプを急に増強すればGC B細胞によるCCL22発現が迅速に上昇し、急に遮断すればGC B細胞によるCCL22発現が迅速に低下する。従って、ケモカインを用いる細胞間反応回路は、個々のB細胞が最近受け取ったT細胞ヘルプの量を、その後さらにT細胞ヘルプを引き寄せる能力に結び付けている。B細胞でCCL22とCCL17を除去すると、GCは形成されるが、B細胞では効率的な親和性成熟が起こらくなる。CCL22とCCL17を欠損するB細胞を、野生型B細胞と同じ反応で競合させると、GCへの参入を維持したり、骨髄形質細胞に分化するのに十分な量のT細胞ヘルプを受け取りにくくなる。我々の研究は、TFH細胞から優先的にヘルプを受けるために親和性が向上したB細胞を目立たせるための、ケモカイン介在機構を示すことで、GCでの正の選択の時空間的な調整の原理を明らかにしている。

