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発生生物学:ノンコーディングの欠失によりMaenli lncRNAがEn1の肢特異的な調節因子であることが明らかになった
Nature 592, 7852 doi: 10.1038/s41586-021-03208-9
長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)は、遺伝子調節ネットワークの重要な構成要素となる場合があるが、ヒトのメンデル遺伝病におけるlncRNAの関与の正確な特性や程度についてはほとんど分かっていない。今回我々は、ヒト第2染色体上のlncRNA座位を遺伝的に除去すると、重度の先天性肢形成異常が引き起こされることを示す。我々は、中間肢短縮、合指症、腹側の異所性爪(背側重複肢症)を特徴とする複雑な肢形成異常を持つ患者では、engrailed-1遺伝子(EN1)の300キロ塩基上流に、27~63キロ塩基の欠失がホモ接合で存在していることが分かった。このヒトの欠失をマウスで遺伝子工学的に再現したところ、肢でのEn1の発現が完全に失われ、ヒト疾患表現型を再現する、背側肢の重複した表現型が引き起こされた。発生中のマウス肢でのゲノム規模トランスクリプトーム解析からは、この欠失領域内に4エキソン長のノンコーディング転写産物が見つかり、我々はこれをMaenliと命名した。Maenli座位の機能解析を行ったところ、その転写活性は肢特異的なEn1のシス活性化に必要であり、これによって発生中の肢芽で背腹極性を制御する遺伝子調節ネットワークが微調整されることが明らかになった。Maenliの喪失は、En1に関連した肢の背腹表現型(完全なEn1関連表現型のサブセット)を引き起こした。我々の知見は、lncRNA座位に影響を及ぼす変異が、ヒトのメンデル遺伝病を引き起こす可能性を実証している。

