免疫学:皮膚に常在する自然リンパ球は病原性エフェクター状態に収斂する
Nature 592, 7852 doi: 10.1038/s41586-021-03188-w
組織に常在する自然リンパ球(ILC)は、バリア機能の維持と局所シグナルへの応答を助けている。従来、ILCは、特定の転写因子およびサイトカインの発現に基づいて、ILC1、ILC2、ILC3に分類されている。皮膚では、ILC3関連サイトカインであるインターロイキン17(IL-17)およびIL-22の、IL-23シグナル伝達に応答した疾患特異的産生が、乾癬の皮膚炎症に関わっている。しかし、この応答を開始させるのが、あらかじめ運命決定されたILCなのか、あるいは細胞状態の移行なのかは分かっていない。今回我々は、マウスでIL-23あるいはイミキモドにより乾癬を誘発すると、皮膚ILCのスペクトラムが再構成され、病原性ILC3様の状態に収斂することを示す。組織に常在するILCは、循環ILCが存在しない状態において、病態を引き起こすのに必要かつ十分であった。乾癬性炎症の時間経過に沿った、皮膚ILCの単一細胞RNA塩基配列解読(scRNA-seq)のプロファイルは、高密度の転写連続体を形成し、定常状態でさえも、ナイーブ状態あるいは静止様状態や、ILC2エフェクター状態など、流動的なILC状態を反映していた。疾患が誘発されると、この連続体は急速に移行して、ILC2に特徴的なサイトカインも発現するILC3様の混合サブセットにまたがるようになり、これらは複数の経路から生じると推測された。我々は、in vitro実験、scATAC-seq(single-cell assay for transposase-accessible chromatin using sequencing)、in vivo運命マッピングを用いて、静止様状態とILC2状態に移行の可能性があることを確認した。我々の結果は、皮膚のILC応答の範囲と柔軟性をはっきりと示しており、健康な組織でプライミングされた免疫活性は誘発に動的に適応し、抑制されずにいると、病的なリモデリングが引き起こされることを示唆している。

