Article
材料科学:ナノ粒子超格子を集合させて形成した巨視的な材料
Nature 591, 7851 doi: 10.1038/s41586-021-03355-z
ナノ粒子の集合は、選択したナノスケールの構成要素を用いてボトムアップ方式で材料全体を構築することによって、材料の階層的組織化をプログラムする理想的な手段として提案されている。化学組成、ナノスケールの秩序化、マイクロスケールの構造、巨視的な形態が全て物理的特性に影響を及ぼすことから、マルチスケールの構造制御が非常に望ましい。しかし、一般にナノ粒子の秩序化を決定付ける化学的相互作用は、それより長いスケールで構造を操作するいかなる手段も本質的にもたらすわけではない。従って、ナノ粒子系の材料開発には、ナノスケールの自己集合配列を損なうことなく、マイクロ構造やマクロ構造を目的に合わせて調整する加工戦略が必要である。今回我々は、グラムスケール量のファセットナノ粒子超格子結晶子を速やかに集合させ、これをさらに、バルク固体の焼結に似た方式で成形して巨視的な物体を作製できる方法を実証する。この方法の重要な進歩点は、ナノ粒子の集合を支配する化学的相互作用が、その後の加工段階でも働き続けることである。このため、巨視的な材料が形成する際に、粒子の局所的ナノスケール秩序が維持できる。バルク固体のナノ構造とマイクロ構造は、超格子結晶子のサイズ、化学組成、結晶学的対称性に応じて調整でき、これらの構造はその後の加工段階で制御できる。従って、今回の研究によって、分子スケールからマクロスケールの長さスケールにわたって構造的組織化を同時に制御する汎用的な方法が得られる。

