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細胞生物学:アクチンのケーブルとコメットテイルが有糸分裂の際にミトコンドリアネットワークを編成する
Nature 591, 7851 doi: 10.1038/s41586-021-03309-5
対称的な細胞分裂では、遺伝情報と細胞質の内容物を娘細胞の間で均等に分配する必要がある。ゲノムの分離を調整する機構はよく知られているが、娘細胞間での細胞小器官の分離を確実に行う仕組みの解明は、それほど進んでいない。今回我々は、有糸分裂の際にミトコンドリアの組織化と分配に役割を果たす、複数のアクチン集合体を明らかにした。これらの役割はそれぞれ異なるが、互いに補い合っている。まず、有糸分裂中の細胞質全体にわたって張り巡らされた皮質下アクチンケーブル(アクチンフィラメント束)の密な網目構造が見つかった。この網目構造が小胞体を支える足場となり、ミトコンドリアの三次元配置を整えて、細胞質分裂の際にミトコンドリアの量的に均等な分離が確保されるようになる。次に、有糸分裂の際にミトコンドリアの表面で、アクチンフィラメントの可逆的な構築が波のように起こることが明らかになった。この波に取り込まれたミトコンドリアはアクチンの雲に包み込まれ、この雲は自発的に対称性を破り、長く伸びたコメットテイル(彗星の尾に似た構造)を形成する。このコメットテイルがミトコンドリアを一気に動かすが、その方向はランダムなので、母細胞内でのミトコンドリアの位置がシャッフルされ、健常なミトコンドリアと損傷があるミトコンドリアが2個の娘細胞にランダムに受け継がれる。このように、アクチン細胞骨格が介在する仕組みが並行して働いて、対称的に分裂する娘細胞内にミトコンドリアが間違いなく均等かつランダムに受け継がれていく。

