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生物地球化学:CO2濃度上昇下での植物と土壌の炭素貯蔵量間のトレードオフ

Nature 591, 7851 doi: 10.1038/s41586-021-03306-8

陸上生態系は毎年、人間活動で放出される二酸化炭素(CO2)の約30%を除去しているが、この炭素シンクの持続性は、植物生物量および土壌有機炭素(SOC)貯蔵量が将来の大気中CO2濃度の上昇にどのように応答するかに一部依存する。CO2濃度の上昇(eCO2)実験では、植物生物量は増加することが多いが、SOCに関しては増加や横ばいの他、減少も観測されている。実験間のこうしたばらつきを駆動する機構はほとんど解明されておらず、これによって気候予測に不確実性が生じている。今回我々は、108件のeCO2実験のデータを総合し、eCO2のSOC貯蔵量への影響が、植物生物量との負の関係によって最もよく説明されることを見いだした。これはすなわち、植物生物量がeCO2によって強く刺激されるとSOC貯蔵量は減少し、逆に植物生物量への刺激が弱いとSOC貯蔵量は増加することを意味する。このトレードオフは植物の栄養素獲得(植物は土壌から栄養素を取り出すことで自らの生物量を増加させる)と関係しているようであり、栄養素獲得はSOC貯蔵量を減少させる。また、草原での植物生物量の増加(9 ± 3%)は森林での生物量増加(23 ± 2%)に及ばないものの、SOC貯蔵量は全体として、草原ではeCO2に伴い増加するが(8 ± 2%)、森林では増加しない(0 ± 2%)ことが明らかになった。生態系モデルではこのトレードオフが再現されないことから、SOC予測を見直す必要性が示唆される。

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