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海洋科学:海洋上層の成層と混合層の深さの夏季の増大

Nature 591, 7851 doi: 10.1038/s41586-021-03303-x

世界の海洋の表層混合層は、大気と海洋内部の熱交換と炭素交換を制御することで全球の気候を調節している。さらに混合層は、大半の海洋一次生産の場となり、深海層を酸素化するための経路を提供することで、海洋生態系を形作っている。こうした気候や生命維持に関する重要な役割にもかかわらず、全球気候変動の時代において混合層に生じ得る変化についてはまだよく分かっていない。本論文では、海洋観測の結果を用いて、1970〜2018年に混合層底部を横切る密度差が増大し、混合層自体がより深くなったことを示す。我々は、全球の海洋にわたるさまざまな力学的状態に付随する、海洋上層の安定性の物理学に基づく定義を用いて、夏季の密度差が10年当たり8.9 ± 2.7%(海域によるが、10年当たり10−6〜10−5 s−2)増大したことを見いだした。これは、以前の見積もりより6倍以上大きい値である。また、これまでの研究では、混合層が薄くなると海洋上層がより成層するはずであると示唆されてきたのに対し、我々は、そうではなく、夏季の混合層が10年当たり2.9 ± 0.5%、すなわち10年当たり数メートル(海域によるが、典型的には10年当たり5〜10 m)深くなっていたことを見いだした。詳細な機構の解釈は難しいが、成層と混合層の深まりが同時に生じていることは、風によって駆動される海洋上層の乱流の増強に伴う、表層の温暖化と高緯度域の表層の塩分低下に関連した安定性の増大と関係していた。これらの知見は、広大な領域を完全にはカバーしていない複雑なデータセットに基づいている。今回の結果は、さまざまな感度解析の範囲でロバストであるが、1970〜2018年の期間の初期におけるまばらな観測範囲に関連した不確かさなど、重要な不確かさがいくつも残っている。とはいえ今回の研究結果は、海洋一次生産に現在生じている変化の駆動要因の再検討を求めるとともに、過去50年間にわたる世界の海洋上層の明確な変化を明らかにしている。

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