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がん:BRCA1とRNAi因子は低分子RNAとPALB2–RAD52が仲介する修復を促進する

Nature 591, 7851 doi: 10.1038/s41586-020-03150-2

Rループ(RNA:DNAハイブリッド鎖と元のDNA二本鎖から外れた一本鎖DNAで構成される三本鎖構造)とゲノムの不安定性、ヒト疾患の間には強い関連が存在する。実際、恒常性の維持に一般に関わっている生理的過程を調節するような重要なゲノム領域では、Rループが生じやすい。例えば、Rループによって調節される転写終結領域の一時停止部位はアンチセンス転写産物の合成を引き起こすことがあり、それによってRNA干渉(RNAi)が誘導するヘテロクロマチンの局所的形成が可能になる。一時停止部位はまた、内因性の一本鎖DNA切断からもBRCA1によって守られている。一時停止部位でDNA修復が起こる仕組みについての複数の仮説にはRNAが役割を持つというものがあり、RNAがゲノムの完全性の標準的な調節因子であることが分かってきているが、その説明はまだされていない。今回我々は、一本鎖DNAの損傷に関連する低分子RNA(sdRNA)種が、BRCA1–RNAiタンパク質複合体によって形成されることを明らかにする。sdRNAは、Rループを形成し、一本鎖DNA切断の多い転写終結領域の一時停止部位で、PALB2–RAD52複合体によるDNA修復を促進する。sdRNA修復は、静止期(G0)の細胞と増殖中の細胞のどちらでも働く。従ってsdRNA修復は、無傷組織と幹細胞どちらでも起こり、BRCA1が関与する腫瘍抑制にも関わっている可能性がある。

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