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プロテオミクス:単一細胞プロテオゲノミクスによる細胞周期の時空間的解析

Nature 590, 7847 doi: 10.1038/s41586-021-03232-9

細胞周期は生命にとって基本的な過程であり、この過程で細胞の成長と分裂が行われ、その調節異常は、がんをはじめとする壊滅的な結果をもたらす。細胞周期は、タンパク質の時空間的に正確な調節によって駆動され、これが増殖中の個々の細胞間でのばらつきを生み出している。我々の知る限り、そのような細胞間プロテオームのばらつきに関する体系的な研究は行われていない。今回我々は、細胞周期中の個々の細胞について、細胞内分解能でのプロテオミクスに、単一細胞トランスクリプトミクスと正確な時間測定を統合することにより、ヒトプロテオームの不均一性に関する包括的な時空間的地図を作製した。ヒトプロテオームの約5分の1で細胞間のばらつきが見られ、これまで有糸分裂や細胞周期との関連が知られていなかった数百のタンパク質が見つかり、それらの一部には発がん機能があることを示す証拠が得られた。これらの結果から、細胞周期の進行で説明できるのは細胞間のばらつきの半分以下にすぎず、細胞周期によって変動が見られるほとんどのタンパク質はトランスクリプトームの細胞周期依存的な変化ではなく、翻訳後に調節されていることが明らかになった。これらのタンパク質は細胞運命を調節するキナーゼによって過度にリン酸化されているが、細胞間で違いのある細胞周期と関連しないタンパク質は代謝を調節するキナーゼによって修飾される傾向がある。この空間的に解明された細胞周期のプロテオーム地図はヒトタンパク質アトラスに統合されており、ヒトの細胞周期と細胞増殖の分子レベルでの研究を促進するための情報資源となるだろう。

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