Article
心理学:類似した文脈で世界共通に現れる16種類の顔表情
Nature 589, 7841 doi: 10.1038/s41586-020-3037-7
複数の文化にわたり、ヒトの顔の表情が特定の社会的文脈でどの程度変わるのかを理解することは、感情が重要な課題や機会に対する適応反応を可能にしているとする理論の中核である。しかし、社会的文脈と特定の顔表情とを結び付ける具体的な証拠は乏しく、その大部分は調査に基づく手法によっていて、そうした手法は言語やサンプルサイズの小ささによって制約を受けることが多い。今回我々は、機械学習法を現実世界の動的な行動に適用し、自然な社会的文脈(例えば、結婚式やスポーツの試合など)が異なる文化において特定の顔表情と関連付けられるかどうか確認した。我々は、深層ニューラルネットワークを用いた2つの実験で、144か国で撮影された600万本のビデオ映像の数千の文脈において、16種類の顔表情が体系的に出現する程度について調べた。その結果、各顔表情には一連の文脈との独特な関連が見られ、それらは世界の12の地域間で70%共通していることが分かった。これらの関連性と符合して、異なる顔表情がどの程度頻繁に現れるかは、どの文脈が最も顕著であるかに応じて地域ごとに違っていた。今回の結果は、ヒトの顔表情のきめ細かなパターンが、現代世界では広く保存されていることを明らかにしている。

