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物性物理学:絶縁体におけるランダウ量子化と高移動度フェルミ粒子
Nature 589, 7841 doi: 10.1038/s41586-020-03084-9
強相関物質では、準粒子励起が分数量子数を持つことがある。興味深い可能性は、絶縁体において中性フェルミ面やランダウ量子化につながる、分数化された電荷中性フェルミ粒子(例えば、スピノンやフェルミオン励起子など)の形成である。量子スピン液体、トポロジカル近藤絶縁体、量子ホール系におけるこれまでの実験から、電荷中性フェルミ面の存在が示唆されているが、その存在を示す決定的な証拠はまだない。今回我々は、ラージギャップトポロジカル絶縁体である単層二テルル化タングステン(WTe2)二次元絶縁体における、ランダウ量子化の実験観測結果について報告する。エッジの寄与を回避する検出方式を用いることで、この絶縁体の磁気抵抗に大きな量子振動が見いだされた。その開始磁場は約0.5テスラと小さい。巨大な抵抗にもかかわらず、振動プロファイルは数多くの周期を示しており、これは金属におけるシュブニコフ・ドハース振動によく似ている。非常に低い温度では、観測された振動は1.6テスラ近傍で離散的なピークに発展し、それを超えるとランダウ量子化領域が十分発達する。このような低い量子化開始磁場は、従来の高移動度二次元電子気体の挙動と同様である。今回の実験は、デバイス構成要素の影響や、絶縁体ギャップ内における可動フェルミ粒子や電荷中性フェルミ面の存在の可能性など、単層WTe2の異常な基底状態をさらに調べる必要性を示している。

