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老化:再プログラム化により若齢時のエピジェネティックな情報を復元して、視力を回復させる
Nature 588, 7836 doi: 10.1038/s41586-020-2975-4
老化は変性過程であり、組織の機能不全や死につながる。老化の原因としてエピジェネティックなノイズの蓄積が提唱されており、これによって遺伝子発現パターンが破壊されて、組織機能や再生能の低下につながる。DNAメチル化パターンの経時的な変化は老化時計の基盤を形成するが、老化した個体がこれらのパターンを復元するのに必要な情報を保持しているかどうか、また、保持している場合はそれによって組織機能が改善できるかどうかは不明である。中枢神経系(CNS)では、時間の経過とともに機能や再生能が失われる。今回我々は、モデルCNS組織として眼を用い、マウス網膜神経節細胞でOct4(別名Pou5f1)、Sox2、Klf4の遺伝子(OSK)を異所性に発現させると、若齢時のDNAメチル化パターンやトランスクリプトームが復元され、損傷後の軸索再生が促進されて、緑内障マウスモデルや老齢マウスの視力障害が回復することを示す。軸索の再生や視力におけるOSK誘導性の再プログラム化の有益な効果には、DNA脱メチル化酵素のTET1とTET2が必要であることが分かった。これらのデータから、哺乳類組織は若齢時のエピジェネティックな情報の記録を保持していて、その情報の一部はDNAメチル化によりコードされていることが示された。これは、in vivoで組織機能を改善したり再生を促進したりするのに利用できる。

