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ナノスケール材料:モアレヘテロ構造における非従来型強誘電性

Nature 588, 7836 doi: 10.1038/s41586-020-2970-9

物質の構成粒子はさまざまな様式で自ら配列することができ、驚くほど豊富な、個々の構成粒子だけを調べても理解できないことの多い現象を出現させる。量子材料、特に複数の自由度やエネルギースケールが微妙な均衡を維持しているる量子材料において、そうした現象の出現を発見し理解することは、物性物理研究にとって基本的に興味深い。今回我々は、グラフェン系モアレヘテロ構造において、意外にも強誘電性の出現を観測したことを報告する。強誘電材料は電気的にスイッチング可能な電気双極子を有し、通常そうした双極子は、単位格子内の正電荷と負電荷の平均中心が空間的に離れることによって形成される。これに基づくと、炭素原子のみからなる材料であるグラフェンが強誘電性を示すのは想像し難い。しかし、今回の研究で我々は、2枚の六方晶窒化ホウ素層に挟まれたBernal積層2層グラフェンにおいて、スイッチング可能な強誘電性を実現した。我々は、モアレ超格子ポテンシャルを導入することによって(2層グラフェンを上層および/または下層の窒化ホウ素結晶にそろえることによって)、外部からの面外変位場印加に伴うグラフェン抵抗の顕著かつロバストなヒステリシス挙動を観測した。今回の系統的な輸送測定によって、変位場と電子充填率に応じた、そして従来の強誘電体の枠を超えた豊富かつ顕著な応答が明らかになった。さらに我々は、非局所単層グラフェンセンサーで、この強誘電分極を直接調べた。今回の結果は、2層グラフェン/窒化ホウ素モアレ系における非従来型の奇パリティー電子秩序化を示唆している。今回出現が確認されたモアレ強誘電性によって、超高速プログラマブル原子層炭素系メモリーデバイスを実現できる可能がある。

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