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がん:スプライシング因子YBX1はJAK2変異型新生物の持続性を成立させる

Nature 588, 7836 doi: 10.1038/s41586-020-2968-3

JAK(Janus kinase)は造血細胞でのサイトカインやホルモン、増殖因子に対する応答を仲介する。JAK遺伝子のJAK2は、老化した造血系や、造血系のがんでは変異していることが多い。JAK2変異は、下流のシグナル伝達を構成的に活性化し、骨髄増殖性腫瘍(MPN)のドライバーである。JAK阻害剤は、臨床で使用するとJAK2変異型クローンの全体的な疾病負荷に対して相反する要素が混ざった影響を及ぼすため、我々はこの疾患持続性の基盤となる機構を調べることにした。本論文では、高深度のホスホプロテオームプロファイリングを行い、mRNAプロセシングに関わるタンパク質がJAK2変異体の標的であることを突き止めたことを報告する。JAK2の翻訳後修飾の標的であるYBX1を不活性化すると、JAK阻害剤投与後も存続していた細胞がアポトーシス感受性となり、その結果としてRNAのスプライシング異常や、イントロン保持の増加、ERK(extracellular signal-regulated kinase)シグナル伝達の転写制御破壊が引き起こされることが分かった。JAKの薬理学的阻害と組み合わせてYBX1を不活性化すると、マウスとヒトのJAK2依存性初代細胞でアポトーシスが誘導され、in vivoで悪性クローンの退縮が引き起こされて、分子的な寛解が誘導された。この結果は、タンパク質リン酸化の差異がJAK2–ERKシグナル伝達のスプライシング依存的変化と、JAK2V617F悪性クローンの維持を引き起こす細胞内在性機構を明らかにするとともに、これを立証している。従って、YBX1依存的ERKシグナル伝達をJAK2阻害と組み合わせて治療標的とすると、JAK2変異を持つ細胞を根絶できる可能性がある。

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