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生化学:小分子が誘発する重合がBCL6の分解を引き起こす

Nature 588, 7836 doi: 10.1038/s41586-020-2925-1

発がん性の非酵素ドライバータンパク質の効果的かつ持続的な阻害は、大きな薬理学的難問である。サリドマイド類似体の臨床での成功は、転写因子などのがん治療標的群の薬剤による分解誘発に治療効果があることを実証しているが、タンパク質の中には既存の方法で標的として分解しようとしても抵抗性を示すものがかなり存在する。本論文では、タンパク質を標的として分解する、もう1つ別の機構を報告する。この分解機構では、小型の分子が標的タンパク質の非常に特異的で可逆的な重合を誘発し、これが細胞内フォーカスへと隔離されて、その後分解される。Bl-3802は小型の分子で、発がん性転写因子BCL6(B cell lymphoma 6)のBTB(Broad-complex、Tramtrack and Bric-à-brac)ドメインに結合して、BCL6のプロテアソームによる分解を引き起こす。我々はクライオ電子顕微鏡を使って、BCL6に結合している分子の溶媒に露出した部分がリガンドとタンパク質が混成する表面の形成に寄与し、この表面がBCL6ホモ二量体を結び付けて超分子構造を形成させる仕組みを明らかにした。また、薬剤に誘発されたBCL6フィラメントの形成が、E3ユビキチンリガーゼSIAH1によるユビキチン化を促進することが分かった。これらの知見から、BI-3802のような小分子によって、非常に特異性の高いタンパク質分解と共役した重合が誘発できることが明らかになった。BCL6の場合には、この重合によって、他のBCL6阻害剤よりも高い薬理学的活性が得られるようになる。これらの知見は、治療薬の開発と合成生物学に新たな道を開くだろう。

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