Article

進化遺伝学:巨大ウイルスの広範な内在化が緑藻類のゲノムを形作る

Nature 588, 7836 doi: 10.1038/s41586-020-2924-2

内在性ウイルスエレメント(EVE)は、ウイルスゲノムが宿主ゲノムに組み込まれたウイルスで、真核生物に広く見られ、ゲノム進化に重要な役割を担っている。これまでに特定されているEVEの大部分は、少数の遺伝子を含む小さなゲノム領域であるが、最近、いくつかの大きな二本鎖DNAウイルスも宿主のゲノムに内在化される可能性を示唆する証拠が得られている。核細胞質性大型DNAウイルス(NCLDV)は、大きなゲノムと複雑な進化起源を持つことから最近大きな関心を集めているが、NCLDVが真核生物EVEの主要な構成要素であるかどうかはいまだ分かっていない。今回我々は、さまざまな緑藻類でNCLDVが広範に内在化されていることを報告する。これらの巨大なEVEは、100万塩基対を超えるサイズに達していて、一部のゲノムでは総オープンリーディングフレームの10%程度を含んでいることから、真核生物ゲノムにおける既知のウイルス遺伝子の規模が大幅に増大した。これらの内在化されたエレメントは、宿主のゲノム座位と遺伝子を共有していることが多く、多数のスプライソソームイントロンや大規模な重複を含んでおり、これらが宿主ゲノムに密接に同化していることが示唆された。NCLDVは、多数の供給源に由来する遺伝子を持つ大きなモザイク状のゲノムを含み、それらの内在化は、これまで評価されていなかった、真核生物系統への新しい遺伝物質の導入経路であり、ゲノム組成に大きな影響を及ぼす可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度