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免疫学:LTβ受容体シグナル伝達の阻害は肺におけるWNT誘導性の再生を活性化する
Nature 588, 7836 doi: 10.1038/s41586-020-2882-8
リンホトキシンβ受容体(LTβR)シグナル伝達は、リンパ系新生や三次リンパ組織様構造の発達を促進し、これらは複数の器官系にわたる重篤な慢性炎症疾患と関連付けられている。LTβRシグナル伝達が、特に肺における慢性的な組織損傷を引き起こす仕組みや、この過程を調節する機構、また、LTβR阻害に治療的価値があるのかどうかについては、まだ明らかにされていない。今回我々は、喫煙に関連した慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者やたばこの煙に慢性的に曝露したマウスでは、適応免疫細胞と自然免疫細胞でLTβRリガンドの発現が増加し、肺上皮細胞で非カノニカルなNF-κBシグナル伝達の亢進とLTβR標的遺伝子の発現増加が見られることを示す。若齢マウスや老齢マウスにおけるLTβRシグナル伝達の治療的阻害は、喫煙に関連した誘導型気管支関連リンパ組織を破壊し、肺組織の再生を誘導して、気道の繊維症や全身性の筋肉消耗を回復させた。機構的には、LTβRシグナル伝達の阻害は、上皮の非カノニカルNF-κBの活性化を弱め、気道のTGFβシグナル伝達を低下させ、上皮の細胞死の抑制と肺胞上皮前駆細胞でのWNT/β-カテニンシグナル伝達の活性化によって再生を誘導した。これらの知見は、LTβRシグナル伝達の阻害が、三次リンパ組織様構造の予防とアポトーシスの阻害を、組織再生戦略と組み合わせた実行可能な治療選択肢であることを示唆している。

